東京都立川市の小学校に男性2人が侵入し、教職員5人が暴行され負傷した事件を受け、岐阜県警岐阜中署は9日、岐阜市白山町の白山小学校で不審者対応の緊急訓練を行った。突然の侵入者に対して、教員らが笛を吹いて緊急事態を知らせたり、さすまたを使って取り押さえたりする対応を確認した。 訓練では、保護者を名乗る男性2人が、インターホン越しに教員や児童に会わせるよう要求。別室に誘導して説得すると、激高して刃物を取り出したため、教員4人がさすまたや椅子で対応し、110番で駆けつけた警察官が現行犯逮捕した。 訓練に参加した男性教員は「保護者を名乗って高圧的な態度をとられた時、どう対応すればいいのか……。いきなり不審者と判断していいのかが難しかった」と述べた。 同校は不審者対策として、玄関ドアを常に施錠し、校舎の各階にさすまた計5本を置いている。年1回、児童参加の避難訓練も行っているが、高橋茂洋教頭は「訓練の設定では不審者は1人。これからは2人以上も想定し、対応できるようにしたい」と話した。 同署によると、県内で今年に入って登下校中などに声をかけられたり、つきまとわれたりした不審者事案が3月末までに114件あった。約7割が小学校で、増加傾向にあるという。【稲垣洋介】