三井住友銀行(SMBC)は5月9日、インドのイエス銀行の株式20%を1348億ルピー(約2400億円)で取得することで合意した。イエス銀行は2003年設立の大手民間商業銀行で、ムンバイに本社を置いている。 三井住友フィナンシャルグループ(SMBCグループ)は9日、傘下のSMBCがイエス銀行の最大株主インドステイト銀行から13.19%、アクシス銀行やコタック・マヒンドラ銀行などの他の銀行から合計6.81%の株式を取得すると発表した。この取引の完了によりSMBCは、イエス銀行の筆頭株主となる。 イエス銀行は、2020年に不良債権問題に直面した際に、インドステイト銀行を含む他の銀行からの資本注入を受けていた。それ以来、カーライル・グループやアドベント・インターナショナルからの支援も受けるイエス銀行の業績は回復している。 SMBCグループは声明で、「この投資により、SMBCはインド最大級の民間商業銀行へのアクセスを獲得し、グループのインド事業を一層加速させることが可能になる」と述べた。この取引は、インド準備銀行(RBI)およびインド競争委員会(CCI)による承認が必要となる。「当グループは、今年4月にインド部門を新設し、現地の市場への注力と成長戦略の加速を図っている」とSMBCグループは述べている。 SMBCは、2021年にインドの消費者金融グループのフラトン・インディア・クレジット・カンパニー(現SMFGインディア)の75%を取得し、昨年3月に完全子会社化していた。 インド国内で1200以上の支店を展開するイエス銀行は、個人および大企業向けに幅広い金融サービスを提供している。同銀行は、インドの銀行家のラナ・カプールと、その義兄で2008年のムンバイ同時多発テロで死亡したアショク・カプールらが共同で設立した。元ビリオネアのカプールは、イエス銀行が不良債権問題に直面した2019年にCEOを辞任し、2020年には詐欺容疑で逮捕されたが、その後保釈された。 「我々は、SMBCという世界的に著名な金融パートナーを筆頭株主として迎えることに感激している。この出資は、我々の次なる成長段階における画期的な一歩となる」と、イエス銀行のCEOのプラシャント・クマールは別の声明で述べた。「我々は、SMBCのグローバルな専門性と高いガバナンス基準から恩恵を受けられることを期待している。この投資は我々の将来のポテンシャルに対する力強い支持を示すものだ」と彼は続けた。