フィリピンで中間選挙の投票開始、正副大統領の「代理戦争」に注目

Karen Lema Devjyot Ghoshal [マニラ 12日 ロイター] – フィリピンで12日、上下両院と地方の中間選挙の投票が始まった。今回はマルコス大統領とドゥテルテ副大統領の代理戦争の様相を呈している。 ドゥテルテ氏はマルコス氏と対立しており、不正支出を巡って下院の調査を受けた。昨年11月には、自分が殺された場合にマルコス氏やその妻らを殺害するための殺し屋を雇ったとも発言し、物議を醸した。 議会は2月にドゥテルテ氏の弾劾訴追案を承認。さらに3月には国際刑事裁判所(ICC)が、同氏の父親であるドゥテルテ前大統領を「麻薬戦争」と呼ばれる薬物犯罪対策の中で犯した人道に対する罪で逮捕。マルコス氏は逮捕を支持していた。 マルコス、ドゥテルテ両氏は12日、それぞれの地元で投票を行った。ドゥテルテ氏は記者団に、自身が推薦した上院議員候補10人のうち2人以上が当選する可能性があるとコメント。中には麻薬戦争を率いた元警察署長も含まれる。 フィリピン大学の政治学教授、アリエス・アルガイ氏は「今回の選挙はマルコス政権に対する非公式の国民投票という以上に重要な意味を持つ」と指摘。「上院選は重要な代理戦争だ。マルコス氏は立法・経済政策を推し進めるため、過半数を維持するか絶対多数を獲得する必要がある」と述べた。

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