41年前に滋賀県日野町で起きた強盗殺人事件をめぐる再審請求について、元受刑者の弁護団が最高裁に対し、審理状況の意見交換をする機会を求める申し入れをしました。 この事件は、1984年に滋賀県日野町で酒店経営の女性(当時69)が殺害されて金庫が奪われ、酒店の常連客だった阪原弘さんが強盗殺人の疑いで逮捕、起訴されたものです。 阪原さんは裁判で「自白を強要された」として無罪を訴えましたが、無期懲役が確定し、服役中の2011年に75歳で病死しています。 阪原さんの家族らによる再審=裁判のやり直しを求める訴えに対し、大津地裁は2018年に「自白の信用性に疑いがある」などとして再審開始を決定。 大阪高裁も2023年に再審の開始を認める決定をしていて、検察側が取り消しを求めて最高裁に特別抗告しています。 こうしたなか、阪原さんの家族らの弁護団がきょう(12日)最高裁を訪れ、事件の審理状況について、最高裁の調査官と弁護団とで意見交換する機会を設けるよう申し入れました。 検察側の特別抗告からおよそ2年が経過していることを踏まえ、「事件の主要な問題点について齟齬が生じないようにするために必要だ」としています。 弁護団によりますと、検察側の特別抗告からおよそ1年半にわたって事件の裁判記録の一部が最高裁に届いていなかったことが明らかになり、弁護団長の伊賀興一弁護士は「正義と真剣さを持って審理に当たっているのかと弁護団は思っている。納得しがたい」と話しました。