ロシア、バチカンでの和平交渉に難色 事実上のNATO圏など理由

[26日 ロイター] – ロシアとウクライナの和平交渉の場としてバチカンが浮上していることについて、ロシアはふさわしくないと考えているとロシア高官筋が述べた。バチカンがカトリックの総本山であること、北大西洋条約機構(NATO)と欧州連合(EU)の加盟国であるイタリアに囲まれた場所であることが理由。また多くのロシア政府関係者は制裁などにより、現地に赴くこともできないという。 トランプ米大統領は、19日にロシアのプーチン大統領と電話会談後、和平交渉をバチカンで行う構想に言及。イタリアのメローニ首相は20日、ローマ教皇レオ14世が電話会談で、次回交渉をバチカンで主催する用意があることを確認したと明らかにした。この件について、ローマ教皇庁は今のところ沈黙を守っている。 ロシア政府上層部の見解を知る高官筋は「バチカンは、(ウクライナとのような)複雑な対立を解決できる適切な場とはみなされていない」と述べた。 理由として、ロシアもウクライナも東方正教徒が多い国であること、地理的にイタリアに囲まれていることを挙げた。 ある高官筋は、バチカンより良い場所は、プーチン氏に逮捕状を出している国際刑事裁判所(ICC)があるオランダのハーグくらいしかないと皮肉交じりに述べた。 ロシアのラブロフ外相は23日、ロシアとウクライナが東方正教の国であることを考えると、バチカンを和平交渉の場とするのは「やや無粋」だと述べた。

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