海外のオンラインカジノで賭博を繰り返したとして、警視庁保安課は29日、福島県いわき市小名浜大原の会社員、蝶間林（ちょうまばやし）誠容疑者（38）を常習賭博容疑で逮捕したと発表した。約3年間で総額280億円以上を賭けていたといい、オンラインカジノで摘発された個人の賭け金では国内最高額とみられる。 逮捕容疑は、2022年8月～24年4月と今年1～4月ごろ、カリブ海のオランダ領キュラソーのライセンスを持つオンラインカジノ「Stake」にスマートフォンなどでアクセスしてバカラ賭博をし、現金と仮想通貨（暗号資産）で計約9000万円を賭けていたとしている。 容疑を認め、「賭博罪に当たると知っていたが、何十万人がやっていると思い、自分は氷山の一角で捕まらないと思った」と供述しているという。 警視庁によると、蝶間林容疑者は、X（ツイッター）上で「明鏡止水」のアカウント名（既に削除）で、賭博で勝った結果について発信し、2万7000人以上のフォロワーがいたという。一部では「バカラのカリスマ」と呼ばれ、インフルエンサーとして知られていた。「SNS（交流サイト）で褒められる承認欲求があり投稿していた」と話しているという。 一時、貯金は1億2000万円まで増えたが、最終的に50万円ほどとなり、全体の収支はマイナスだったとみられる。 また、23年ごろからは海外のオンラインカジノサイトをSNS上で紹介し、運営側から報酬を得る「アフィリエート」に登録。SNSで投稿したURLから誘導された人が賭けるたびに、報酬が支払われる仕組みだった。登録した人は100人以上で、約700万円の報酬を得ていたという。【菅野蘭】