女優・白石聖が、2026年のNHK大河ドラマ『豊臣兄弟!』で永野芽郁の代役として出演することが明らかになった。天下人・豊臣秀吉の異母弟でありながら、歴史の表舞台では語られることの少なかった名参謀・秀長の生涯に光を当てる本作で、白石が演じるのは、仲野太賀が扮する主人公・豊臣秀長の幼なじみである“直”という重要な役どころだ。 白石が代役に選ばれた“4つの理由”をテレビ関係者はこう推察する。 「10代で芸能界入りし、2016年のデビュー以来、着実にキャリアを重ねてきた白石ですが、2019年に『ゼクシィ』CMガールに抜擢され“ヒロイン適正”があったことが大きかった。また、過去のインタビューで『私は叩いてもホコリはまったく出ない』と語っていたように清潔感・透明感が強く、SNSトラブルもない“炎上しにくい”女優像でもあった。さらに、NHKでもドラマ『だから私は推しました』『しもべえ』『大奥』に出演し、貢献度も高い。加えて、直近で事務所を移籍していたことでスケジュール調整が可能だった“タイミングの良さ”もあった」 生き馬の目を抜く芸能界で、その役、その座を得られるかどうかはまさに死活問題。その中で誰かの「代役」として声がかかるという運命のいたずらは、俳優人生を左右する“千載一遇のチャンス”になり得る。そして実際、過去にはそのチャンスを見事にものにし、ブレイクを果たした例が数多く存在してきた。 代表例としてまず挙げられるのは、2020年のNHK大河ドラマ『麒麟がくる』で沢尻エリカの代役に起用された川口春奈だろう。沢尻の逮捕という衝撃的な事件の余波を受け、収録直前でのキャスト変更を強いられたNHKが選んだのが、当時まだ大河経験のなかった川口だった。だが、彼女は濃姫という大役を堂々と演じきり、それまでのイメージを覆す重厚な演技で視聴者を驚かせ、以降、彼女のキャリアは急上昇し、今では押しも押されもせぬ“国民的女優”の一人となったのは周知の通りだ。 過去にさかのぼれば、代役を機に大躍進を遂げたケースは少なくない。ベテランのテレビ誌記者が言う。 「05年にTBS系で放送されたドラマ『花より男子』は井上真央の代表作ですが、彼女が演じた主人公・牧野つくし役は上野樹里が演じる予定でした。当時、TBSは上野を起用して人気漫画『のだめカンタービレ』のドラマ化を計画。ところが、内容の改変案に原作者からNGが出たことで頓挫してしまった。そこで代案としてドラマ化が浮上したのが、同じく人気漫画を原作にした『花より男子』。とはいえ、上野をスライドさせるわけにもいかず、01年放送の同局の昼ドラ『キッズ・ウォー3~ざけんなよ~』に出演していた井上が抜擢されました。結果、同作は平均視聴率20%超という数字を叩き出し、井上は出世街道をひた走ることとなります」(テレビ誌記者) また、フジテレビ系『LIAR GAME』では、当初ヒロインとして予定されていた戸田恵梨香がスケジュールの都合で降板。代役として起用された多部未華子が、シリアスな表現力で高評価を得て新境地を開拓した。