250店ひしめく大阪西成のカラオケ居酒屋に変化の波 チャイナ系に代わりベトナム系勃興

大阪市西成区の「あいりん地区」周辺は、外国人カラオケ居酒屋が軒を連ねることで知られる。安い料金で飲食とカラオケを楽しみ、外国出身の店主らと盛り上がれるのが魅力だ。多様なルーツの人が集まる西成ならではの業態といえるが、そんな外国人カラオケ居酒屋に、変化の波が訪れている。十数年前に中国人が経営する店が爆発的に増え、一時は「チャイナタウン」構想まで持ち上がったが、ここ数年はベトナム系の店が増え始めているのだ。 ■「ハイブリッド店」も登場 「ベトナム人の従業員がいる店は、ここ1年で10軒くらい増えた」。同区の飛田本通商店街で、カラオケ居酒屋の店長を務める20代のベトナム人女性が教えてくれた。 以前は大阪府内の飲食店でアルバイトをしていたが、知人のベトナム人から誘われ、今年1月に店をオープンした。 スタッフのベトナム人女性は日本語学校に入学するため数カ月前に来日したばかり。中国人女性も勤務しており、店長の女性によれば、中国とベトナムの「ハイブリッド店」も多いのだという。 ■十数年前は住民とトラブルも 労働者の街と呼ばれたあいりん地区に中国系カラオケ居酒屋が急増したのは十数年前のこと。 当時は防音設備が整っていないのに条例に反して深夜以降もカラオケを提供する店があり、地元住民から騒音やごみ出しなどを巡る苦情が噴出。平成28年には大阪府警西成署や区役所など地元の関係機関が情報交換する連絡会が立ち上がり、定期的に各店舗に立ち入り検査をして法令順守を促していた。 現在営業中のカラオケ居酒屋は約250店を数える。飛田本通商店街振興組合の村井康夫理事長(74)によると、今では当初のような苦情はなく、交流サイト(SNS)の投稿を見て興味を持って訪れる観光客もいるという。 「これまではほとんどが中国系だったが、ここ1、2年はベトナム系の従業員が増えてきた」と村井理事長。同商店街としても十数軒の出店を確認しているという。 ■ベトナム住民増、年300人ペース

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