「私は、まだ幼くて何も知らない、小さい子が好きなので、そういう子を狙ってしまいました」 事件当時、8歳だった女の子に性的暴行を加えた男は、公判のなかで、被害者を狙った理由をこう述べた。 「’25年2月6日、神奈川県警相模原署は当時8歳だったAさんに性的暴行を加えたとして山口綾太被告(34)を不同意性交等の疑いで逮捕しました。Aさんは父親の誕生日プレゼントを買って、自宅に帰る途中で被害に遭ったということです。Aさんが、通っている小学校の前で泣いているところを教員が気づき、110番したことから事件が発覚しました。 山口被告は’19年3月23日に、やはり小学生女児への強制わいせつの罪で懲役2年4ヵ月の実刑判決を受けていました。出所してから3年も経たないうちに同じような犯行に及んだことになります」(全国紙社会部記者) ’25年5月22日に横浜地裁で開かれた第2回公判では、被告人質問が行われた。前回、4月14日の初公判で起訴状などから明らかになった山口被告の犯行はあまりにも卑劣なものだった。 「山口被告は昨年9月3日、飲酒して性欲が高まったため通行中のAさんを襲おうと考え、空き地に連れ込み『騒ぐな、殺すぞ』などと脅した上で、Aさんの陰部に指を挿入するなどの性的暴行を加えたのです。山口被告は出所後、支援施設への入退寮を繰り返していましたが、事件当時は路上生活をしていました」 今回の被告人質問では、弁護人の「今回の事件を今はどう考えているのか?」という質問に、山口被告はアルコールの影響を強く主張した。 「被害者の方には大変申し訳ないことをしたと思っています。私はアルコール依存症で、アルコールを飲むと性欲が高まり自分を抑制できなくなってしまいます。アルコールを断ち切れなかったことが今回の事件の原因だと考えています」 弁護人の「アルコールの影響がなければ今回のような性犯罪は起こさなかったのか?」という質問に「はい」と答え、社会復帰後は支援施設でアルコール依存症からの脱却に取り組むことを約束した。 ◆検察官が暴いた被告の”真の動機” 次に検察官が質問に立った。「お酒を飲んで性欲が高まったというのと、不同意性交等のような犯罪に及ぶのは別の話ではないのか?」の問いに、山口被告はこう答えた。 「私はお金もなく、風俗に行くこともできないので、犯罪に及んでしまいました。お酒を飲みすぎると、いけないことだとわかっていても、やってしまうのです。風俗にも行けなくて、小さい子も好きで、やってしまいました」 さらに検察官が「今回の犯罪の原因は、風俗に行けないことなのか、小学生くらいの女児に性的な行為をしたかったのか、どちらですか?」と質問を重ねると冒頭のように、あえて小さな子を狙ったのだと述べ、さらにこう続けたのだった。 「もともと小さい子が好きで、お酒を飲んで気が大きくなったため犯行に及んでしまいました」 その後、論告弁論が行われた。検察官は「自己の性欲を満たすために本件犯行に及び、非常に悪質。再犯の恐れが非常に高いと言わざるを得ない」として懲役7年を求刑。弁護人は「可能な限り寛大な処分をお願いします」と述べるにとどめた。 最終陳述で、山口被告は「このたびは被害者の方々、世間の皆様をお騒がせしたことを、大変申し訳なく思っています」と述べ、深々と頭を下げた。さらに被告人質問で弁護人に「被害者のご家族に対して、どう思ってるのか」と聞かれると、山口被告はこう答えていた。 「自分に子供がいて、ああいうイタズラをされたら苦しい気持ちになると思います」 Aさんの心身に将来まで残るであろう深い傷を負わせた行為を、「イタズラ」のひと言で片づけてしまった山口被告。その言葉どおりにとれば、性犯罪に遭った被害者の苦しみを軽く考えていると思われても仕方がないのではないだろうか。また、被告の言葉を聞いていると、「酒さえ飲まなければ」「風俗に行くカネさえあれば」事件は起こらなかったとでも言いたげに聞こえてしまう。 判決は7月11日に言い渡される予定だ。 ※「FRIDAYデジタル」では、皆様からの情報提供・タレコミをお待ちしています。下記の情報提供フォームまたは公式Xまで情報をお寄せ下さい。 情報提供フォーム:https://friday.kodansha.co.jp/tips 公式X:https://x.com/FRIDAY_twit 取材・文・写真:中平良