戦うアイスクリーム米「ベン&ジェリーズ」、ガザ紛争を「大量虐殺」と非難 親会社ユニリーバとの対立一層深まる

米アイスクリームブランド、ベン&ジェリーズの独立取締役会は、パレスチナ自治区ガザでの紛争を「大量虐殺」だと非難した。この発表により、親会社の英食品・日用品大手ユニリーバとの対立は一層深まる結果となった。ベン&ジェリーズの創業者のひとりであるベン・コーエン氏は先月、公聴会が開かれていた米上院で抗議活動を行い、警察に逮捕されている。 今回の発表により、親会社の英食品・日用品大手ユニリーバとの対立は一層深まった。 ロイターが確認した声明の中で、ベン&ジェリーズは「当社は人権を信じ、平和を擁護する立場にあり、ガザにおけるジェノサイド(大量虐殺)を非難する世界中の人々と共に声を上げる」としている。 ユニリーバはこの声明について、ベン&ジェリーズの「社会的使命を担う独立した取締役会」の見解であるとした上で、同社としても「地域の平和と人道的支援」を求めていると述べた。 ベン&ジェリーズとユニリーバの対立は少なくとも2021年に遡る。同社が、イスラエル占領下のヨルダン川西岸地区でのアイスクリーム販売を中止すると表明したことが発端だ。 昨年、ベン&ジェリーズはユニリーバを提訴。ガザ問題に関する同社の発言を封じ込めようとしたというのがその理由だ。だが、ユニリーバはこの訴えの棄却を裁判所に求めている。 ユニリーバは今年夏に、アイスクリーム事業を独立した企業として分離する手続きを進めていると発表している。 ベン&ジェリーズによれば、2000年に締結されたユニリーバとの合併契約には、企業の社会的使命を追求する上での「主たる責任」を独立取締役会が負うと明記されている。ベン&ジェリーズとユニリーバの争点は、この取締役会にどれだけの裁量権があるかという点に集約される。

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