パリ・サンジェルマン(PSG)がクラブ史上初となるチャンピオンズリーグ(CL)制覇を果たした一方で、一部の市民が暴徒化してしまったようだ。1日、イギリスメディア『BBC』が伝えている。 PSGは5月31日に行われたCL決勝でインテルに5-0で大勝し、CL決勝史上初となる5点差をつけながら、念願のCL初優勝を飾った。これにより、フランス国内は祝福ムードに包まれ、エマニュエル・マクロン大統領も自身の公式X(旧:ツイッター)で「PSGにとって輝かしい日! ブラボー、私たちは皆誇りに思っている。今宵、ヨーロッパの首都はパリだ」と祝福する投稿をしている。 フランス全土が祝賀ムードになっている一方で、一部の市民が暴徒化し、発煙筒や花火が打ち上げられ、バス停が破壊されたり、車が放火される事件も発生。中でも、南西部のダクスでは17歳の少年が土曜日の夜遅くに胸を刺されて死亡したほか、パリ中心部でスクーターに乗っていた23歳の男性も車にひかれて死亡する事件が起きている。 混乱となっているなか、フランス内務省は、日曜日早朝の衝突で192人が負傷し、559人が逮捕されたと発表。うち491人はパリで逮捕され、警察官22人と消防士7人が負傷し、車両264台が放火されたという。また、警官1人が花火で負傷し、人工的に昏睡状態に置かれていることを明らかにしている。 このような状況を受け、PSGは「これらの散発的な行為はクラブの価値観に反するものであり、サポーターの大多数の声を代弁するものではない」と暴力行為を非難する声明を発表。マクロン大統領もこのような衝突は容認できないもので、正当化できないとして、関係者は逮捕・処罰されるだろうと語っていることが伝えられている。 多くのファンはPSGの勝利を平和的に祝い、路上で歌ったり踊ったり、クラクションを鳴らしたりしていたものの、一部の市民が大きな花火やその他の物を投げる騒乱行為をしたり、複数の商店が略奪される強盗事件が発生してしまい、これによって警察の機動隊が放水砲を使用したり、群衆に向けて催涙ガスを発射する事態になってしまっているようだ。