【社説】「12・3内乱」から6カ月、民主主義の転換点となる6・3大統領選挙

3日に大韓民国の第21代大統領を選出する選挙が行われる。国内外を衝撃に陥れた昨年の12・3内乱からちょうど6カ月。憲政秩序を破壊した尹錫悦(ユン・ソクヨル)前大統領が罷免されたために行われる今回の選挙は、単なる権力交代を超える意味を持つ。非道な権力者が破壊しようとした民主主義を国民の手で立て直さなければならない。 尹前大統領による違憲で違法な非常戒厳宣布は、大韓民国を40年前の独裁時代へと引き戻す試みだった。彼は野党が圧倒的に勝利した前回の総選挙の結果が認められず、むしろ「野党=反国家勢力」と規定し、撲滅の対象とした。軍を動員して憲法機関である国会と中央選挙管理委員会を侵奪し、不正選挙妄想に陥って政治的対立と国論の分裂を極に至らしめた。憲法を守ると宣誓した大統領が憲政を蹂躙(じゅうりん)し、司法の信頼を傷つけたにもかかわらず、これまで国民に一言の謝罪もない。一時は政権党だった国民の力は、尹前大統領を輩出した責任を痛感するどころか弾劾反対を叫び、憲法裁判所に圧力をかけることで「内乱擁護党」を自任した。またこの6カ月は、社会のそこかしこに存在する内乱勢力の強固なカルテルを確認させられた時間だった。大統領権限代行たちは、憲法裁判官の任命を拒否することで尹錫悦弾劾審判の進行を露骨に妨害した。チ・グィヨンの指揮する法廷による尹錫悦の拘束取り消し、検察による即時抗告の放棄、チョ・ヒデ最高裁の露骨な政治介入などは、国家機関に対する国民の信頼を丸ごと破壊した事件だった。 内乱のヤマ場の度に大韓民国を正常軌道に乗せたのは、平凡な市民たちだった。12月3日夜には国会に侵入しようとする戒厳軍を身一つで阻んだ。尹前大統領の弾劾を要求して毎日国会前を埋め尽くした。大統領官邸に隠れた内乱の首謀者尹錫悦の最初の逮捕の試みが失敗に終わると、氷点下の寒さを路上で耐え抜き、厳正な法の執行を要求した。大雪の中、銀ぱくのブランケットに身を包んだ「キセスデモ隊」(銀ぱくにつつまれたチョコレート「KISSES」に姿が似ていることから)と色とりどりのペンライトは、国民の願いの象徴となった。 今は有権者の時間だ。国家機関と権力者の暴走に気をもんでいた時間は過ぎ去り、主権者である国民が自ら新たな大韓民国を作り出す機会が来た。韓国社会の主要な転換点となるべき今回の選挙は、陣営対決ではなく、民主と反民主、常識と非常識が主要な基準とならなければならない。内乱勢力の破壊的、分裂的な行いを止め、民主主義を復元するという課題は、有権者の手にかかっている。 (お問い合わせ [email protected] )

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