ウクライナ版「真珠湾空襲」に続いて…クリミア大橋の橋脚を水中爆破

ウクライナがロシア内陸に大規模な無人機(ドローン)空襲を敢行してから2日後、今度はロシア本土とクリミア半島をつなぐクリミア大橋を水中爆発物で打撃した。ウクライナ保安局(SBU)は3日(現地時間)、X(旧ツイッター)に載せた声明で「クリミア大橋(ケルチ海峡大橋)の水中橋脚の一つに威力がTNT1100キロ級の爆発物を埋設して爆破する特殊作戦を完遂した」と明らかにした。SBUは「橋を支える水中の柱を海底で深刻に損傷させた」とし「現在クリミア大橋は致命的な損傷状態にある」と主張した。 ウクライナ軍がクリミア大橋を攻撃した3回目の事例となる。ウクライナは2022年10月、23年7月にもクリミア大橋を空襲したが、橋を完全に破壊するのに失敗した。ロシアが2014年にクリミア半島を強制併合した後に建設した長さ19キロのクリミア大橋はクリミア半島に駐留するロシア軍の陸上補給路だ。ロシア連邦保安庁(FSB)はクリミア半島でウクライナ所属要員を逮捕し、この要員がテロ攻撃を準備していた事実を自白したと明らかにした。 一方、ロシア本土を狙ったウクライナの1日の大規模ドローン攻撃の顛末も少しずつ表れている。ウクライナ軍は最前線から4300キロ以上離れたロシア東部シベリア・イルクーツクのベラヤ基地など4カ所の空軍基地をドローンで打撃した。ウクライナ側によると、今回の攻撃でロシア軍はTu-160、Tu-95など70億ドル(約1兆円)にのぼる41機の戦略爆撃機を失った。 「クモの巣」と命名された今回の秘密軍事作戦では、ロシアのトラック運転手に運送を依頼したアルティオムという人物が目を引く。アルティオムとの契約に基づいて組立式木造住宅を運んだところ、屋根が開いてドローンが一斉に飛行を始めたというのが共通した証言だ。ドローンが飛ぶのを目撃したロシア人は石を投げたが、ドローンを防ぐには力不足だった。 ロシア捜査当局はアルティオムをウクライナ人と断定し、所在を追跡中だ。これに対しウクライナのゼレンスキー大統領は「(今回の)攻撃を支援したすべての人は作戦開始前にロシア領土から撤収し、現在安全だ」と話した。 ドローン運用方式は今回の作戦の最大ミステリーだ。一人称視点(FPV)ドローン117機を遠隔操縦して目標物を打撃したとウクライナは明らかにしたが、FPVドローンは通常20キロ程度が運用距離の限界だ。CNNは消息筋を引用し「(米国のスペースXが運営する)スターリンクでなくロシアの移動通信網を利用して操縦したようだ」と伝えた。新アメリカ安全保障センターのサミュエル・ベンデット研究員は「ドローンが上空に飛行するまではあらかじめプログラムしておき、その後はロシア移動通信網で操縦したようだ」とキーウインディペンデントに話した。 ロシア側の油断も作戦成功要因に挙げられる。CNNは「ロシア爆撃機が飛行場にそのまま置かれていて、グーグルマップなど公開衛星イメージでも位置を確認できる状態だった」とし「国境の外側でなく目標物のすぐそばでドローンを発射して攻撃することをロシアは予想していなかった」と指摘した。 こうした中、トルコのイスタンブールで2日に開かれたウクライナとロシアの2回目の休戦交渉は特に成果なく1時間で終わった。双方は戦争捕虜と戦死者の遺体の交換に合意しただけという。

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