実在する大阪市内の不動産会社の代表者になりすまし、所有物件のうその売却話を持ちかけて買い手側から計約14億5千万円をだまし取ったなどとして、大阪府警は4日、大阪府東大阪市の会社役員、福田裕（ひろし）容疑者（52）を詐欺などの疑いで逮捕したと発表した。 また、住居・職業不詳の粂（くめ）陵平容疑者（24）と60代の女を電磁的公正証書原本不実記録・同供用などの疑いで逮捕した。 府警は、不正な不動産取引を繰り返す「地面師」グループとみて調べている。3人の認否は明らかにしていない。 捜査2課によると、福田容疑者は粂容疑者らと共謀して昨年1月、70代女性が代表を務める不動産会社（大阪市中央区）の虚偽の臨時株主総会の議事録などを法務局に提出し、同社に無断で、粂容疑者が代表に就任したとする虚偽の内容の登記申請をするなどした疑いがある。 また、その上で福田容疑者は同年2～3月、同社の代表者になりすまし、同社が所有する同区内の130～500平方メートルの土地・建物3カ所について他の不動産会社2社と売却契約を結び、代金として計約14億5千万円をだまし取った疑いがある。 府警は3人のほか、一連の事件に関与した疑いがあるとして、70代の女を有印私文書偽造・同行使などの疑いで任意で調べている。府警は、福田容疑者が指示役とみてグループの実態解明を進める方針。（小島弘之）