斎藤元彦兵庫県知事の疑惑告発問題を巡り、兵庫県警に名誉毀損(きそん)容疑などで書類送検された「NHK党」(旧NHKから国民を守る党)党首、立花孝志氏(57)は、大阪府立信太高校を卒業後、NHKに入局。週刊誌でNHKの不正経理を内部告発し退職後、政治団体「NHKから国民を守る党」を立ち上げた。 平成27年4月に千葉県船橋市議選で初当選。「NHKをぶっ壊す」などと批判を展開し、東京都葛飾区議を経て、国政選挙に進出。令和元年7月の参院選(比例区)で初当選を果たしたが、直後の参院選埼玉選挙区の補欠選挙に立候補し失職した。 4年1月には、NHKに対する威力業務妨害の罪などに問われ、東京地裁が懲役2年6カ月、執行猶予4年の判決を下し、5年3月に確定している。 6年7月の東京都知事選では、党首を務める「NHKから国民を守る党」から24人を擁立し、選挙ポスターを張る枠を販売する意向を示すなどして物議を醸した。 同年11月の兵庫県知事選では、再選した斎藤氏を応援する「2馬力選挙」を展開。斎藤氏の疑惑を追及する県議会調査特別委員会(百条委員会)のメンバーや、斎藤氏を告発した元県民局長=昨年7月に死亡、当時(60)=らに対し、街頭演説や交流サイト上で批判を繰り返し、交流サイト(SNS)上などでの百条委メンバーらに対する誹謗(ひぼう)中傷へと発展した。 こうした誹謗中傷を理由に百条委委員だった竹内英明氏=当時(50)=が県議を辞職し、今年1月に死亡。自殺とみられる。 立花氏は竹内氏の死後、X(旧ツイッター)などで竹内氏が兵庫県警の事情聴取を受け、逮捕予定だったとして「(竹内氏は)逮捕されるのが怖くて自ら命を絶った」などとデマを発信。直後に県警本部長が逮捕予定とする情報を「全くの事実無根」と明確に否定すると、立花氏は「間違いでした」と謝罪した。 3月の千葉県知事選にも立候補し、現職知事の応援を目的に「2馬力」行為をすると告示前に表明したものの、撤回。投開票前の同月14日、東京都内で街頭演説中にナタで襲われ、左側の頭部や耳、首を切られ全治1カ月の重傷を負った。