米ロサンゼルスの衝突、報道関係者が続けて撃たれる 非殺傷弾で

米ロサンゼルスの抗議デモ参加者と警察当局などとの衝突で、取材中の報道関係者が非殺傷性の弾で撃たれる事案が続発している。そうしたなか現地警察は8日夜、デモ参加者らにロサンゼルス中心部から去るよう命じた。 ロサンゼルスでは、移民関税捜査局(ICE)による不法移民の一斉摘発が始まったのを受け、これに抗議するデモが6日から激化している。 オーストラリアの放送局チャンネル・ナインのローレン・トマシ記者は8日、生中継中に非殺傷弾で脚を撃たれた。警官が発砲したゴム弾とみられるものが当たったとみられる。 撃たれた瞬間や、その直前に警官が報道カメラマンらに向け発砲する様子が、同局の映像で記録されている。 イギリス人の報道カメラマンのニック・スターン氏も7日、殺傷性のない弾で脚を撃たれ、緊急手術を受けた。 スターン氏は、14ミリの「スポンジ弾」に太ももを撃たれたと、PA通信に自ら説明。「何人かの抗議者が来て助けてくれ、私を運んでくれた。そのとき、血が脚を流れ落ちているのに気づいた」と述べた。また、痛みで一時、気を失ったと話した。 病院で緊急手術後、回復に向かっているという。 スターン氏は、2020年にロサンゼルスで、ジョージ・フロイド氏が警官に拘束された際に死亡した事件を受けて起きた抗議デモでも、取材中に非殺傷性の弾を受けて負傷したという。 ■中心部から去るよう警察が命令 ロサンゼルス市警察(LAPD)は8日夜、ロサンゼルスのダウンタウン(中心部)の「官庁街において、集会は違法と宣言された」と。ダウンタウン地区から直ちに退去するように」と、ソーシャルメディア「X」に投稿した。 LAPDは、抗議者らが「ダウンタウン地区内外で分裂している」と説明。住民や企業、訪問者らに対し、「警戒し、犯罪行為は報告するよう」求めた。 トランプ氏は大統領に復帰して以来、不法移民を集団で強制送還すると宣言してきた。 ICEによる逮捕件数は、トランプ氏の共和党政権の2期目が始まってから増加している。 トランプ氏は今回、ロサンゼルスでの衝突による社会不安に対応するとして、カリフォルニア州に州兵2000人を派遣した。 一方、ギャヴィン・ニューサム知事(民主党)とロサンゼルスのキャレン・バス市長(同)は、州兵の派遣を撤回するようトランプ氏に求めている。ニューサム知事は、ホワイトハウスが緊張を高めていると非難している。 (英語記事 British photographer hit by non-lethal bullet in LA/Police order protesters to leave downtown Los Angeles as Trump says 'bring in the troops')

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加