大阪・ミナミを舞台にした巨額の地面師詐欺事件。ニセの借用書をとっかかりにして会社を乗っ取ったとみられています。 詐欺などの疑いで逮捕された、東大阪市の会社役員・福田裕容疑者(52)は去年、不動産会社の代表になりすまし、その会社が所有するビル3棟を計約14億5000万円で売却し、金をだまし取った疑いがもたれています。 いわゆる“地面師詐欺”の舞台になったのは、地価上昇が続く大阪・ミナミ。しばらく使われず、廃墟のようになったビルが狙われました。 捜査関係者などによりますと、その手口はこうです。まず、ビルを所有する不動産会社代表の女性(70代)に狙いを定めた容疑者たち。女性に金を貸しているとするニセの借用書を区役所に提出し、女性の住民票の写しを手に入れます。これを元に、偽造した運転免許証で女性の印鑑登録を変更。その後、法務局に不動産会社の代表が粂陵平容疑者(24)に交代したとするウソの登記申請を行ってなりすましたとみられています。 警察は福田容疑者の認否を明らかにしていませんが、福田容疑者がグループの指示役だったとみて事件の全容解明を進めています。