千葉市の中学3年生による高齢女性殺人事件から1カ月 犯罪心理学者の分析は

千葉市の路上で高齢女性を殺害したとして、中学3年生の15歳の少年が逮捕された事件から1カ月。 少年による凶悪な事件はなぜ起きたのか。専門家に聞きました。 事件から1カ月が経った6月11日、事件現場には、花や飲み物が供えられていました。捜査関係者などによりますと、祖父母や父親らと暮らしていた少年は、家族に対する嫌悪感があり、不満を募らせていたといいます。 犯罪心理学の専門家は、少年が凶行に走った理由について、感情に偏りがあった可能性を指摘します。 元静岡県警 科捜研 関西国際大学心理学部 中山 誠教授 「(家族から離れようと)長期で少年院に入るためには、殺人という重い罪を犯さなければならないと考えたのかなと思う。それにしても人を殺すということになると、かなりパーソナリティが偏った状態。誰でもよかったといいながら、やりやすいのは女性で高齢者で体力的にも反撃がしにくいような人を選んでいるので、計画性が感じられる」 また、少年が犯行後、自宅に帰り、家族と一緒に夕食をとっていたという点については… 中山 誠教授 「感情が鈍磨し鈍くなっていた。刺された人の痛みもわからないし、家族や遺族の気持ちも理解できない。感情のコントロールができていない。そこまで追い込まれていたという気がする」 少年を巡っては、家出などの非行について、家族が県警に相談をしていて、県警は親子と複数回、面談するなど、継続補導中でした。 中山 誠教授 「家出だけではなく、何か罪を犯すのではないかと、(家族が)そこまで考えたのであれば、警察に相談するというのは非常に有効だと思う。少年自身も継続補導であればおそらく、(拒否することなく)警察に通っていたと思うので、警察も(事件を)予想がしにくかったのではないかという気がする」 千葉地検は、少年の刑事責任能力を調べるため、ことし9月までの期間で鑑定留置を進めています。 中山 誠教授 「原則は家裁送致、検察へ逆送、検事が精神鑑定の結果を受けて問題ないということであれば起訴になると思う。(ただ、)精神鑑定の結果、責任の有無がどうか、家庭に問題がないかどうか、そこによってまだ予測不可能なところがある」 一方、千葉市は、相談支援体制の強化を検討するとしています。家庭環境や学校生活に悩みがある人たちを対象にした市の相談機関はこう呼びかけます。 千葉市子ども・若者総合相談センターLink 前田 雄平相談員 「何を相談したいか決まっていない段階でも話をお伺いできるし、一緒に考えていくことができる。まずはご連絡いただければそこから動いていけるので、一人で悩みを抱えるのはすごく大変なことなので、一緒に考えていければと思う。必要な時は遠慮なくご連絡ください」

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