電話などで警察官などを名乗り、お金をだまし取る特殊詐欺の被害を防ごうと、警視庁大森署が一風変わった対策に乗り出した。大役を担うのは、ウサギのぬいぐるみ。「サギ」を連想してほしいという署員の思いが込められている。早速、三菱UFJ銀行大森支店(東京都大田区)で13日にあった防犯イベントで配られた。 特殊詐欺の大半は1本の電話から始まる。そこで電話の横にウサギのぬいぐるみを置き、「詐欺かも」と疑ってもらおうというのが狙いだ。署員が業務の合間にハンカチで100個、手作りしたという。 同署生活安全課の寄藤雄一郎課長は、「ぬいぐるみが『詐欺に気をつけよう』と思うきっかけになれば。不審な電話があれば、ためらわずに110番してほしい」と話した。 同庁が今年1~4月に認知した特殊詐欺は1496件で、昨年同期より511件も多い。「あなたに逮捕状が出ている」などと警察官をかたる手口が特に目立つといい、署管内でも既に11件確認している。(吉村駿)