市原市消防局は12日、詐欺未遂事件で逮捕され、有罪判決を受けた南総消防署の田口寛朗消防主事(30)を懲戒免職処分にした。指導監督責任として当時の上司3人を訓告にした。 田口消防主事はことし3月25日、東京都中野区の80代女性から息子らを装って現金をだまし取ろうとした詐欺未遂事件で、弁護士助手と偽り現金を受け取る「受け子」役を務めたとして警視庁野方署に現行犯逮捕された。6月10日に東京地裁で懲役3年、執行猶予4年の判決を受けた。同消防局によると、公判で田口消防主事は「借金があり、SNSでアルバイトに応募した」などと発言。控訴はしない方針という。 善場吉洋消防局長は「被害者と市民におわび申し上げる。再発防止へ服務規律の確保と法令順守を徹底する」と、小出譲治市長は「首都圏を中心に多発する匿名・流動型犯罪グループによる重大犯罪の抑止に取り組む中で、消防職員が詐欺未遂で刑事罰を科された社会的影響は非常に大きく極めて遺憾。消防局所管の副市長に消防組織の風土改革に取り組むよう指示した」とコメントした。