独裁者VSサラリーマン社長――自動車会社に「民主主義」は必要か? トヨタと日産の「決定速度」が分けた明暗、海外Z世代52%が「強リーダー」を望む時代とは

英国の代表的な高級日刊紙『ガーディアン』は2025年1月30日、Z世代に広がる「強いリーダー」待望論を報じている。以下はその引用である。 「The Channel 4 poll found that 52% of 13- to 27-year-olds think “the UK would be a better place if a strong leader” were in change “who does not have to bother with parliament and elections”, and 33% thought the country would be better run “if the army was in charge”, among other dark impulses」(チャンネル4の世論調査によると、13歳から27歳の52%が「議会や選挙に煩わされない強力な指導者」が変われば、英国はもっとよい国になると考えており、33%が「軍隊が指揮を執れば」もっとよい国になると考えている) チャンネル4は公共サービステレビ局のひとつだ。1982年に開局し、BBCやITVと並ぶ主要な放送局である。 このように、Z世代では強いリーダーに魅力を感じる傾向が強まっている。しかもこの志向は政治にとどまらない。企業経営の領域にも波及しつつある。 「独裁型リーダー vs 調整型経営者」 という構図があらためて注目を集めている。社内外の調整に追われるサラリーマン経営者とは対照的に、カリスマ性を備えたトップが企業を牽引するスタイルに関心が集まっている。 本稿では、自動車業界の事例として日産などの経営構造を検証し、「企業に民主主義は必要か」という問いに迫る。

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