廃部から復帰の日大アメフト部、なぜ一番下の3部からでなく2部からなのか 関東学連が理由説明

違法薬物事件を2023年に起こして廃部になっていた日本大(日大)アメリカンフットボール部が、今秋から公式戦に復帰することが決まった。 17日、関東学生連盟(関東学連)が臨時理事会を開き、大学側から2月19日付で出されていた再加盟申請を審議、承認した。所属するカテゴリーは、最上位から3番目の「2部」からの再起となる。 関東学連はこの日夜、廣田慶代表理事の名義で「日本大学アメリカンフットボール有志の会の加盟について」とプレスリリースを出した。以下、全文。 一般社団法人関東学生アメリカンフットボール連盟は本日、オンラインで臨時理事会を開き、日本大学競技スポーツセンターが本年2月19日付で当連盟に申請した日本大学アメリカンフットボール有志の会(以下「有志の会」という)の新規加盟について審議し「有志の会の新規加盟を認める」ならびに「所属リーグは2部とする」ことを決定いたしました。 また、2点を付帯決議としましたので、併せてお知らせいたします。 ■決議内容 ・日本大学アメリカンフットボール有志の会の新規加盟を認める ・所属リーグは2部とする ■付帯決議 <1>当連盟は日本大学アメリカンフットボール有志の会の早期の競技部への移行を望む。競技部として認められていないことで、ガバナンスに依然問題があるのではないかとの懸念を少なからぬ加盟校が抱いており、かかる懸念は速やかに払拭されるべきものと考えるためである。 <2>日本大学アメリカンフットボール有志の会が、退社前の日大アメフト部を前身とするチームであることを考慮し、万が一、今後重大な規律違反があった場合は、当連盟は、退社前の過去の規律違反とこれに対する処分も斟酌(しんしゃく)して厳粛な処分を検討することとなる。 当連盟では日本大学側からの加盟申請を受け、連盟内に新規加盟審査委員会を立ち上げて書類による審査や現地調査、関係者へのヒアリングなどを実施したほか、理事会内や加盟各校との議論を行い、さまざまな視点から多面的に検討してきました。 その結果、当連盟が旧日本大学アメリカンフットボール部に当時の処分を解除する条件とした「4つの課題」(※)をクリアしていると認められること、有志の会が大学を代表するフットボールチームであると大学側が認定していること、副学長以下競技スポーツセンター、有志の会のガバナンスならびにコミュニケーションの改善が認められること、再発防止について努力が認められることなどを理由に加盟を認めることとしました。 ただし、競技部ではなく有志の会として加盟申請を行ったことで少なからぬ加盟校がガバナンスについての懸念を抱いていることから、付帯決議とした次第です。併せて、旧日大アメフト部が起こした2018年の危険タックル問題と23年の違法薬物事件は、アメリカンフットボール界のみならず世間一般を大きく揺るがせた事案であり、たとえ有志の会が廃部となった旧日大アメフト部とはまったく異なる組織だと日本大学が位置付けたとしても、有志の会に今後重大な規律違反があった場合は当連盟として上記の過去の規律違反とこれに対する処分も斟酌して厳正に対処することを確認いたしました。 所属リーグについては、「競技力」「安全面」「公正さ、公平性」などを考慮し、2部が適していると判断しました。現状、有志の会は関東でもトップクラスの競技力を有すると評価できますが、既存の加盟校への影響が最も少なく、最も筋が通るのは一番下のリーグである3部から始めることです。しかし、3部では体力差、人数差や経験値の差などによる安全面での不安が大きく、一方で、ここ2年間公式戦を戦っていない大学のチームがいきなり1部TOP8やBIG8から出発することは、「退社せずに自動降格を繰り返すよりも、退社した方が得」という状態となり、公正さや公平性の観点からすると適切ではないことなどを踏まえて判断しました。 有志の会は秋の公式戦(リーグ戦)には今季から参加することとなりますが、2部リーグは昨年の結果を踏まえて既に編成が決定しているところ、有志の会がA、Bどちらのブロックに所属するのか、また大会方式や試合日程などは今後調整していくことになります。 以上 (※)当連盟が旧日大アメフト部に課した「4つの課題」(当時の処分の解除条件) <1>貴部側から、逮捕された部員以外の部関係者全員が違法薬物に潔白であると保証できない旨が示されたこと <2>逮捕された部員以外の部の関係者に違法薬物を使用した者が存在している疑いが払拭できないこと <3>再発防止策の提示ならびにその実施がなされていないこと <4>部関係者(指導者、学生を含む)の責任の所在が明らかでないこと

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