誤った設計単価で算出された最低制限価格と同額で落札されたいわき市水道局の工事入札を巡る問題。有識者らによる調査確認委員会が最低制限価格と同額の入札は可能とした一方、「(誤った)最低制限価格の一致は不自然」と指摘していた疑惑は、市職員の逮捕へ発展した。 「市政全般の信頼を揺るがしかねない重大な事態。市民、関係者に深くおわび申し上げる」。市が緊急に設定した記者会見で内田広之市長と山田誠水道事業管理者はそろって頭を下げた。 水道局によると、官製談合防止法違反と公契約関係競売入札妨害の疑いで逮捕された真山佳幸容疑者(34)は、2013年の技術職採用以来、水道局でのみ勤務。設計金額などを漏らした疑いがある24年の平下平窪配水管改良工事は、工務課勤務の真山容疑者が設計、積算を担当していたという。 この工事を巡っては、設計ミスのため契約が解除された。情報漏えいが疑われたため、水道局は内部調査を実施。水道局の内部調査で、真山容疑者は設計価格などを外部に提供したことは「ない」と回答。設計書が誤ったことについては「担当者として申し訳ない」と答えていたという。 真山容疑者は17日まで通常勤務していたが、18日は「夏休み」を申請していたという。勤務態度について、山田管理者は「おおらかな性格で職場のムードメーカーの一面があった」とした。