逮捕されたのは歯科医師で院長の男。虫歯と称して健康な歯も抜いていた可能性も。被害は1億円にも上るとみられています。 ■インプラントの治療費“詐取”か 被害総額は1億円を超えるとみられています。 19日、詐欺の疑いで逮捕された歯科医師の高橋仁一容疑者(58)。院長だった千葉市の歯科クリニックで、患者の女性から200万円をだまし取った疑いが持たれています。 被害者の女性(40代) 「信頼できそうなお医者さんという印象」 そのクリニックに通っていた40代の女性。同じように院長の男からの被害を訴えています。 始まりは、ささいな虫歯治療の相談からでした。 被害者の女性 「『この1本だけの問題じゃなく、インプラントが必要な歯が4本もある』と言われて」 高額になると思った女性はいったんは治療を断りましたが…。 被害者の女性 「『もうこの骨も溶け掛かっているから、今すぐにでも治療した方がいい』と言われて」 結局、150万円を支払いインプラント治療を始めることに。そして、夫もこのクリニックに通院していたことから、女性は高橋容疑者からある提案を受けます。 被害者の女性 「私たちの歯をモデルとして学会で紹介したい、すごく珍しい例だからと私と夫が選ばれた。治療費を全額、出してくれるキャンペーンをやっていると」 高橋容疑者は夫と女性の治療費、合わせて500万円のほか、追加で500万円を支払えば1000万円が返金され、治療費を賄えると提案してきたといいます。 被害者の女性 「ちょっと怪しいと思ったが、ここで関係を悪くしてしまって治療してもらえなかったらどうしよう」 女性は追加で半額の250万円を支払いました。これで支払った総額は夫と合わせて750万円に。 ■虫歯と称し健康な歯も治療? そして、肝心なのはその治療ですが、手術後のレントゲン写真を見るとボルトの様なものが入っているのが見えますが…。 被害者の女性 「4本(抜歯)と聞いていたのが5本に」 健康な歯まで抜かれていた可能性も。男のさらなる手口が明らかになってきました。 高橋容疑者にインプラント治療として多額の費用を支払い、5本の歯を抜かれてしまった40代の女性。 被害者の女性 「本当に顔半分が腫れちゃって毎回(高橋容疑者に)見せているけど、『なんでだろうね、おかしいね』の繰り返し。根本的には治療してくれない」 そして、いつまで経っても追加の250万円が返金されることはなく、去年7月にクリニックは突如、閉院しました。 被害者の女性 「どうにかしてお金が欲しかったから健康な歯もインプラントが必要といって抜かれたんじゃないか。お金だけじゃなくて歯も取られた感じ」 同じような手口での被害を訴える患者は数十人に上り、被害総額は1億円を超えるとみられています。 ■逮捕の歯科医師直撃すると 返金を求める被害者の1人が高橋容疑者を直撃すると…。 高橋仁一容疑者 「したくないっていうか」 被害者 「駄目だろ、そんなの」 高橋仁一容疑者 「察して下さいよ」 被害者 「察せないよ」 高橋仁一容疑者 「いや、困りますよ」 被害者 「皆に謝罪もないし」 高橋仁一容疑者 「困りますって。もう結構です」 取り調べに対して「弁護士と話しをするまでは黙秘します」と供述しています。 女性も何度も高橋容疑者に返金を求めましたが、相手にされることはなかったと言います。 被害者の女性 「歯医者として今後、生きてほしくない。お金も…歯も返してほしい」