トルコ中銀が主要政策金利据え置き、利下げ再開に布石との見方も

[イスタンブール 19日 ロイター] – トルコ中央銀行は19日の会合で、主要政策金利の1週間物レポレートを46%に据え置くことを決定した。上限政策金利の翌日物貸出金利も49%を維持した。 ロイターがまとめたエコノミスト調査では、1週間物レポレートは据え置き、翌日物貸出金利は47.5%への引き下げが予想されていた。 中銀は昨年12月に金融緩和を開始した後、今年3月にエルドアン大統領の政敵とされたイスタンブール市長の逮捕で市場に動揺が広がると、4月に政策を転換して1週間物レポレートを42.5%から46%に引き上げていた。 また5月には年末の物価上昇率見通しを24%に維持し、インフレが悪化すればさらに引き締めに動くと表明した。 中銀はこの日も「持続的なディスインフレを通じて物価の安定を達成するまで、引き締め的な政策スタンスを続ける」と改めて強調した。 一方で5月の基調的物価上昇率が減速し、先行指標からは6月もディスインフレ基調になることがうかがえると説明した。 S&Pグローバル・マーケット・インテリジェンスの経済アソシエート・ディレクター、アンドリュー・バーチ氏は、中銀は利下げサイクル再開に向けて市場の地ならしをするために「声色」を変えていると指摘。ただ先行きの不確実性を踏まえると、年末の物価上昇率を見通し通り24%に収めるには、利下げには慎重な対応が求められると付け加えた。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加