捜査の手は県議会にも及んだ。桐生市役所の建て替え工事を巡り、特定の業者が有利になるよう入札公告案を修正させたとして、県議の相沢崇文容疑者(49)ら4人が逮捕された事件。埼玉・群馬県警合同捜査本部は20日、県議会にある自民党県議団の議員控室を捜索した。 20日午前、自民党県連は緊急の総務会と県議団総会を開いた。相沢容疑者は県議団長を務め、来月予定される参院選では現職候補の遊説隊長を担う予定だった。金井康夫幹事長は、相沢容疑者と連絡が取れていないといい、「弁護士を通じて連絡がとれ次第、適切な対応をしたい」などと言葉少なだった。 夕方には段ボールを手にした捜査員約10人が県議会に立ち入り、自民党県議団の議員控室に捜索に入った。 疑惑の現場となった桐生市役所の新市庁舎では20日、市議会の一般質問が行われた。19日に捜索が入ってから一夜明けての議会。質疑は事件に集中するかと思いきや、質問は事前通告制で当日に変更できないと会議規則で定められており、具体的な質疑はなかった。 会議の冒頭で荒木恵司市長は「突然の情報に驚いており、事実ならば誠に遺憾」と発言。質問に立った関口直久市議(共産)は「質問に入る前に」と断った上で「自浄能力を発揮して全容解明を求めたい」と要請。飯島英規市議(無会派)も質問に入る前に約10分かけて新聞記事を朗読しながら事件に言及し、「今後の推移を見守りたい」と述べた。 市議の一人は「市民の疑問に応えるのが市議会。もし本日、一般質問する機会があったら、私も事件について言及しただろう」と話した。【福田智沙、遠山和彦】