玄関先に不審な置き石、コロコロ60件のミステリー 多様化する空き巣狙いのマーキングか

門扉の上にこれまでなかったはずの小石。それは犯罪の印かもしれない―。神戸市垂水区の住宅街で今年1月以降、玄関先などに不審な石が相次いで置かれていたことがわかった。5月にはこの住宅街にある住宅1軒に侵入したとして男2人が逮捕。住宅の敷地内には小石が置かれており、兵庫県警は住人が留守かどうかを確認する「置き石マーキング」だったとみて、多発していた置き石との関連を調べている。専門家はマーキングの手口は多岐にわたるとして防犯対策の徹底を呼びかけている。 ■60件の置き石…住宅街で不安募る 「若い男2人がインターホンを鳴らして、門扉を勝手に開けようとしている」。1月、神戸市垂水区に住む女性から110番があった。女性は通報後、門扉の上やガレージ付近に1~3センチの小石が置かれているのを見つけた。 通報を受けて県警が周囲を捜索したところ、不審な小石は他の住宅でも発見された。その数、60件以上。いずれも目立ちにくい1~3センチの小石で、門扉などの開閉により「動かすと落ちやすい場所」に置かれているという共通点があった。 一体誰が…。住民らの間で不安が募る中、事態が動いたのは5月だった。兵庫県警は同28日、邸宅侵入と器物損壊の疑いで、いずれも住所不定、無職の嶋谷直人(28)、中村啓太(28)の両容疑者を逮捕した。 2人の逮捕容疑は、共謀して今年2月、同区神陵台の住宅敷地内に侵入。1階窓ガラスを損壊したとしている。住宅の窓ガラスが割られた直後、侵入警報装置が作動して発覚。捜査関係者によると、住宅の敷地内には1~3センチの小石が置かれており、2人は玄関付近の門扉などに石を置き、留守を確認するという手口で周辺を物色していたとみられる。 住宅街では男らの逮捕に安堵(あんど)しつつも、不安の声が聞かれた。80代女性は「ニュースをみてとても驚いた。門扉の上に小石が置かれていたとしても、カラスの仕業かなと思って見過ごしてしまう。知らない間に標的になってしまっているなんてとても怖い」と声を落とした。 ■小石以外にも〇や×印…

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