「詐欺防止へ国際電話の利用休止を」京都府警が異例の呼びかけ、啓発活動も

京都府内で3月に発生した特殊詐欺の被害件数は17件あり、被害額は1億1100万円に上った。警察官をかたって巧妙な会話で現金やキャッシュカードを盗む手口が依然多い上、犯人側が国際電話を使うケースが多発しており、京都府警は国際電話の利用を休止する手続きを取るよう呼びかけている。 府警によると、警察官らをかたる手口は、電話や交流サイト(SNS)を使って「マネーロンダリング(資金洗浄)の疑いがある」「口座が譲渡されている」などと被害者の不安をあおる。中にはビデオ通話に誘導し、偽の警察手帳や逮捕状を見せることで、被害者を信用させる事例もあるといい、注意が必要だ。 被害の入り口となる「予兆電話」は、自宅の固定電話に国際電話でかかってくるケースが多い。昨年発生した特殊詐欺事件のうち、犯人側が被害者へ最初に接触した方法は固定電話が約8割を占め、うち約7割が国際電話だったという。 このため府警は、国際電話の利用休止を呼びかけている。東山署は4月末、署員と東山区役所の職員、住民ボランティアらが高齢者宅を回る啓発活動を実施し、西田勝志署長や坂根正樹区長も参加した。訪問を受けた女性(75)は「24時間留守電を設定している。怖いので登録している番号以外はすぐに電話を取らない」と話し、さっそく国際電話の休止を申し込んでいた。 警察が電話で捜査対象となっていることを伝えたり、警察官が国際電話やSNSで連絡したりすることはないという。特殊詐欺対策室は「0110など実際の警察の電話番号が表示される手口もある。府警で国際電話の利用休止を支援しているので、警察署に問い合わせてほしい」としている。

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