ウクライナの青少年がロシア側に抱き込まれるような事件が相次ぎ、情報当局が取り締まりに乗り出した。 21日(現地時間)、ニューヨーク・タイムズ(NYT)によると、ウクライナ保安庁(SBU)と警察は今春からウクライナ全土の高校を対象にロシア諜報要員の接近を避けることができるように青少年を教育するプログラムを導入した。 情報当局が教育のために作った動画には10代の青少年がそうとは知らずにロシアの自殺爆弾テロ犯になって死亡したなどの事例が登場した。 ウクライナ当局によると、ロシア連邦保安局(FSB)はテレグラムやティックトック(TikTok)、ディスコード(Discord)などのSNSを通じてウクライナの青少年に接近し、物品を運ばせたり発電所を撮影させたりなどする見返りに数百~数千ドルを提示する。 相当数の青少年は簡単に金儲けができると思って気軽に始めたものの、このことを暴露するという脅迫を受けてもっと危険で複雑なことまでさせられるようになってしまうという。 SBUは先月末、ロシア情報機関に抱き込まれてウクライナで防火やテロ、器物破損などを犯したり、計画したりした容疑で約600人が起訴されたと明らかにしたが、4人に1人が未成年者だった。また、5月にロシアからそういった誘いを受けたと通報した未成年者が50人に達したという国営メディア「ウクルインフォルム通信」の報道が出たりもした。 昨年12月、SBUと警察はオンラインで募集された「クエストゲーム」に参加していると思い込み、特定の標的の写真と動画を撮って情報を提供していた10代の青少年数人を逮捕した。 3月には15歳と17歳の青少年がテレグラムで報酬1700ドル(約25万円)の提案を受けて魔法瓶や金属ねじなどを用いて私製の爆弾を作っていたところ、一人は死亡してもう一人は足を失う事件もあった。 SBUリビウの報道官は「彼らは皆さんの電話の中で活動している」とし「手紙の配達や写真撮影、グラフィティのような単純な業務に偽装したものがそうした抱き込みの第一歩になる場合がある」と警告した。