警視庁と千葉県警の合同捜査本部は26日、東京都港区にある指定暴力団・住吉会の本部事務所を組織犯罪処罰法違反などの疑いで家宅捜索した。新宿区からの移転が12日に認定されており、警察当局が家宅捜索に入るのは初めて。 捜査関係者によると、住吉会系組幹部の男性(42)がナンバープレートをつけ替えて盗難車であることを隠すよう指示したとして、組織犯罪処罰法違反(犯罪収益等隠匿)などの疑いで逮捕された事件があり、関係先として捜索された。 住吉会は全国で2番目の勢力を持つ。本部事務所は2023年11月、建物の老朽化のため港区赤坂6から新宿区新宿7のマンションに移転。24年3月、近隣住民らが、公益財団法人「暴力団追放運動推進都民センター」に委託する代理訴訟制度を使い、使用差し止めを求める仮処分を申請し、東京地裁が24年6月、仮処分を認める決定を出した。 その後、都公安委員会が今月12日付の官報で、港区芝浦1に移転したと公示した。 この日は午前10時半ごろ、警視庁の捜査員ら約20人がオフィスビルに入居する本部事務所を捜索し、押収した資料が入ったとみられる段ボール箱を運び出した。様子を見守っていた近くに住む男性(82)は「移転してきたことは知らなかった。普通の街と思っていたのに、まさか暴力団の本部事務所が来るとは」と話した。