母親とみられる遺体を集合住宅の一室に放置したとして、兵庫県警灘署は26日、死体遺棄の疑いで、住所不定、無職の男(60)を逮捕した。神戸市灘区の集合住宅の一室から同日、遺体が見つかり、同署は少なくとも数年以上前に死亡した母親の可能性が高いとみて、身元や死因を調べる。 逮捕容疑は26日午前11時前、神戸市灘区鶴甲4の集合住宅一室のトイレ内に、年齢不詳の遺体を遺棄した疑い。同署によると、男は「母親が約10年前にトイレの内側で息をしておらず、冷たくなっていた。亡くなっていることは分かっていた」などと話している。 同署によると、灘区役所の職員が5月22日、足をひきずって歩く男を見つけた。母親の様子を尋ねたが一切話さないことを不審に思ったため、職員が6月23日、署に通報した。 通報を受け、署員が部屋のトイレで遺体を発見した。同容疑者はこの一室の玄関の鍵を持っており、「対人恐怖症でコミュニケーションを取るのが苦手だった。通報できなかった」とも話しているという。