参院選迫り緊張高まる警察、過去3回の国政選挙でテロ発生 要人警護へ「司令塔」強化

参院選公示が来月3日に迫り、要人警護を担う警察の緊張感が高まっている。過去3回の国政選挙では、単独でテロを計画し実行する「ローンオフェンダー(LO)」による事件が起きた。警察は全国から情報を集約して分析し、不審者や危険性などを浮かび上がらせる司令塔機能を強化した。関係部門に素早く情報を還元し、脅威を水際で阻止するのが狙いだ。 警察庁はLOを「特定のテロ組織などと関わりのない過激化した個人」と定義している。政治的な主義主張を背景にしたり、不特定多数の人に危害を加えたりする恐れのある人も対象となる。 国政選挙ではLOによる事件が相次いだ。 安倍晋三元首相銃撃事件(令和4年7月・参院選)と岸田文雄前首相襲撃事件(5年4月・衆院補選)、自民党本部・首相官邸襲撃事件(6年10月、衆院選)が起きた。それぞれの事件で逮捕・起訴された山上徹也被告(44)、木村隆二被告(26)、臼田敦伸被告(50)をLOと認定している。 警察庁は、参院選期間中、LOに関する前兆情報や選挙に関連する不審情報を全国の警察から集約して統合する「警察庁LO脅威情報統合センター」を新設した。インターネット上の投稿なども合わせて情報を分析し、不審者情報などを全国の警察に還元。警護の警戒強化や捜査、対策に生かす。警察幹部は「幅広く情報を集めてつなぎ合わせ、真の脅威をあぶり出す」としている。(大渡美咲)

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