名古屋市立小学校の教員らが児童を盗撮し、画像を交流サイト(SNS)で共有したとして逮捕された事件を受け、文部科学省は1日、教員による児童生徒への性暴力を根絶するよう求める通知を全国の教育委員会に出した。 通知は望月禎・初等中等教育局長名。性暴力の防止をはじめとする服務規律の徹底を要請するとともに、教員向けの研修を実施し、児童生徒への性暴力が原則懲戒免職処分の対象となると周知するよう求めた。 また、執務環境を見直して児童生徒と教員が密室状態で会うことを避け、教室にカメラを隠せないようにするための整理整頓の重要性にも言及。教員の私有携帯電話による撮影や、学校備品のカメラで撮影した画像の校外持ち出しを禁じるよう要請した。 このほかの対策として、児童生徒を対象とした定期的なアンケートの実施、相談体制の整備などを挙げた。 文科省は近く、各都道府県の教育長らを集めたオンライン緊急会議を開催し、これらの対策について改めて説明し、協力を呼びかける。 通知に先立ち、阿部俊子文科相は1日の閣議後記者会見で「教員から児童生徒への性暴力は断じてあってはならない。任命権者には厳正に対処してもらいたい」と述べた。未然防止策としてこども家庭庁の有識者会議で議論されている防犯カメラについて「日常の活動がすべて議論されるという状況の是非を踏まえると、さまざまな議論がある」とし、教室への導入には慎重な姿勢を示した。【斎藤文太郎】