兵庫県庁(神戸市中央区)に正当な理由なく侵入したとして、建造物侵入罪に問われた大学生の男(20)の初公判が7月1日、神戸地裁で開かれ、男は「(斎藤元彦)知事に辞職を求める面談に応じてもらいたかった。侵入という犯罪構成要件にはそぐわない」という趣旨の意見を述べ、無罪を主張した。 起訴状などによると、男は4月10日午後、知人の男性2人とともに正当な理由なく兵庫県庁2号館に侵入したとされ、男は知事室のある6階で拡声器を使い、「知事を出せ」と声をあげた。 男と弁護人は、「斎藤知事に対面し、(辞職するよう)生の声を伝えるために立ち入った。憲法16条に定められた『請願権』(国民が国や地方公共団体に対して、特定事項に関して要望や意見を表明する権利)を行使した。当時、県庁内は立ち入り制限はなく、不当な逮捕で2か月あまり身柄を拘束された」として無罪を主張した。