【ソウル時事】韓国のソウル中央地裁は9日、昨年12月の「非常戒厳」宣言を捜査する特別検察官が請求した尹錫悦前大統領に対する逮捕状の審査を行った。 審査には尹氏本人が出席。発付されれば、尹氏の身柄が再び拘束される。韓国メディアは、9日夜から10日未明に結果が出るとの見通しを伝えている。 特別検察官は6日、特殊公務執行妨害などの容疑で尹氏の逮捕状を請求した。尹氏は1月、自らに出た拘束令状の執行を大統領警護庁に阻止させた疑いなどが持たれている。特別検察官は6月28日と7月5日に尹氏を出頭させ、取り調べを行った。 特別検察官は、尹氏が捜査に協力する姿勢を見せていない上、自身に有利なように証人と口裏を合わせる可能性があるとし、逮捕の必要性を主張。尹氏の弁護団は「法理的に犯罪は成立しない。無理な(逮捕状)請求だ」と反発した。 尹氏は1月、内乱を首謀した罪で起訴され、既に裁判が始まっている。一時は身柄を拘束されたが、3月に釈放され、在宅で公判に臨んできた。6月の李在明政権発足後、非常戒厳について独立した立場で捜査する特別検察官を任命する法案が国会で可決され、広範囲な捜査が本格化した。