親族14人のマイナンバーを不正に取得したとして、所沢市の職員が逮捕されました。 県警によりますと、公務員が職権を乱用しマイナンバーを収集した容疑で逮捕されたのは全国で初めてということです。 マイナンバー法違反の疑いで逮捕されたのは、東京都八王子市に住む、所沢市上下水道局主任の田中海斗容疑者(31)です。 田中容疑者は、市の財務部市民税課に在籍していたおととし2月から3月にかけて、住民基本台帳ネットワークにアクセスし、親族14人のマイナンバーを不正に取得した疑いが持たれています。 調べに対し、田中容疑者は「間違いありません」と容疑を認めているということです。 警察によりますと、田中容疑者は親族の収入状況を調べ自身の扶養に入れることで税の控除などを受ける目的だったとみられ、延べ40人以上の扶養を申請していたということで、詐欺の疑いも視野に調べています。 事件を受けて、市は、10日午後会見を開きました。 市によりますと、去年9月11日に、公益通報があり、その後の内部調査を経て、11月29日に所沢警察署に捜査を依頼したということです。 田中容疑者は、市民税課専用の市長公印を無断で使い、公用申請として手数料を支払わずに、親族の戸籍謄本を取り寄せ、マイナンバーを不正に入手しました。 その後、マイナンバーをもとに親族の所得を調べ、事実とは異なる内容で扶養控除の修正申告を行い、市民税や県民税の還付などを受けたということです。 市は「市役所全体の更なる再発防止策を進め、市民の皆さまの信頼回復に努めてまいります」とコメントしています。