【判決・裁判員裁判】覚せい剤取締法違反 松山市の女に懲役7年【愛媛】

松山市郊外の住宅で覚せい剤が密造されていた事件を巡り、製造場所や薬品を提供するなどした女(63)に懲役7年の実刑判決が言い渡されました。 判決文などによりますと、松山市桑原の無職の女(63)は2023年5月、台湾の男らと共謀のうえ松山市内で覚せい剤約103グラムを営利目的で製造するなどしたとされています。 これまでの裁判で被告は、「関与はあったが、内縁の夫に指示されて手伝っただけ」などと主張していました。 10日の判決で、松山地裁の渡邉一昭裁判長は、被告が覚せい剤を密造する計画を知りながら、自らが代表を務める会社の名義で、製造場所となった建物を契約したり、原料となる薬品の購入を円滑にしたりと、「重要な役割を果たしたといわざるを得ない」と指摘しました。 また、元暴力団幹部の男が主導する計画を、事後報告の形で知らされ、なし崩し的に犯行に加担させられる形となり、断りづらい状況にあったとしながらも、被告が薬物事件に関して常習性があったことなどを挙げ、「利益獲得の可能性を認識した上で、自らの意思で犯行に関与した」として、厳しく非難しました。 そのうえで、被告が上位者に脅されたというほどの事情はないとして、懲役7年の実刑判決を言い渡しました。 この事件を巡っては、台湾の男らあわせて5人が逮捕・起訴されていましたが、このうち2人はすでに死亡しているため、この事件に関する松山地裁での裁判は今回が最後です。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加