30年前の銃弾で欠けたタイルは語る…警察庁長官銃撃事件“自供”の中村泰元受刑者の“妄想” 打ち砕く現場 #59

オウム真理教による地下鉄サリン事件から10日後の1995年3月30日、国松孝次警察庁長官が銃撃され瀕死の重傷を負った。 事件との関与が浮上した、オウム信者であり警視庁の現役警察官でもあったXは「警察庁長官を撃った」と証言したが、その供述はデタラメばかりで、結局不起訴となった。 一方、教団とは無関係で、2002年11月に拳銃で現金輸送車を襲撃して逮捕された中村泰(なかむら・ひろし)は「自分が長官を撃った」と供述。裏付け捜査が進められたが、犯人との体格差や供述と現場状況の齟齬などから、捜査本部は中村が真犯人であると断定できなかった。 発生から30年を迎えた警察庁長官銃撃事件。 入手した数千ページにも及ぶ膨大な捜査資料と15年以上に及ぶ関係者への取材を通じ、当時の捜査員が何を考え、誰を追っていたのか、「長官銃撃事件とは何だったのか」を連載で描く。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加