“アジアのプリンス”チャン・グンソク&「イカゲーム」名優ホ・ソンテがヒリつく演技バトルを展開…韓国史上最大の詐欺事件を描く「餌【ミッキ】」

韓国史上最大の巨額投資詐欺事件を題材に、事件とその後に発生した不可解な連続殺人の解明を描くクライムサスペンスドラマ「餌【ミッキ】」(毎週土曜昼1:00-3:00、初回は昼2:02~)が、BS12 トゥエルビ(BS222ch、全国無料)にて、7月12日(土)より放送を開始。今回が無料BS初放送となる。事件を追う刑事を演じるのは、本作で5年ぶりのドラマ復帰を果たしたチャン・グンソク。日本でもアイドル的人気を博した彼が、ひげ面の風貌とクールな表情を携え、俳優としての新境地を見せている。 ■韓国史上最大の詐欺事件をモチーフに描くリアルなストーリー “韓国史上最大”という詐欺事件を題材に描く本作。連想されるのは、2004年、実際に韓国で発生し、日本円で5千億円超の被害を出したとされる「チョ・ヒパル詐欺事件」だ。容疑者は逃亡先の中国で死亡したとされるが、その死亡鑑定には科学的根拠が希薄だとして今なお生存説が根強い。この「チョ・ヒパル詐欺事件」と重なるように、本作では2010年、韓国史上最大の巨額投資詐欺事件が発生。主犯のビッグス・ネットワークの会長ノ・サンチョンは警察に追われる形で中国に逃亡するが、2015年、その地で彼が事故死を迎えたことで、事件は幕を閉じていた。 しかし、それから8年後の2023年。ノ・サンチョンの右腕だったソン・ヨンジンが、「ノ・サンチャンが私を殺そうとしています」と通報したのち、自宅アパートで死体となって発見される。死者が人を殺したのか? 警察内が騒然とする中、ク・ドハン刑事はカン・ジョンフン次長の命を受けて捜査を開始。事件現場に侵入して死体を撮影していた男性イ・ビョンジュンを逮捕すると、彼が「ノ・サンチョン詐欺事件」の被害者だったと判明する。 ビョンジュンを犯人と決めつけ、ドハンに事件に深入りしないよう釘を刺す上司のジョンフン。逮捕されたビョンジュンと家族のような親しさを見せ、事件に執着する新聞記者のチョン・ナヨン。サンチョンは生きており、金が戻ってくると信じて疑わない投資詐欺事件の被害者たち。事件を取り巻く人々に疑念や疑問を抱きながらドハンは真相を追うが、そのさなか、第二の殺人事件が発生する。 ■進化を続ける“グンちゃん”と「イカゲーム」名優の圧倒的な存在感 主人公の刑事ドハンを演じるのは、“アジアのプリンス”と呼ばれるイケメン俳優チャン・グンソク。2009年の「美男<イケメン>ですね」で俺様バンドマンを演じ、日本に第2次韓流ブームを起こした。“グンちゃん”の愛称で親しまれた彼の甘いマスクと、見た目とギャップのあるお茶目なキャラクターを覚えている人も多いだろう。 しかし本作では、そんな親しみのある姿は封印。ひげをたくわえたワイルドな風貌で元弁護士の経歴を持つ刑事を熱演する。ずば抜けた観察力と分析力に加えて、法の知識で相手をやり込める姿が目を奪うが、刑事になって間もないため、血や死体が苦手という風貌とのギャップも面白い。 弁護士時代は負け知らずだったドハン。警察内部からはその法知識を見込まれて文書の改ざんなどもみ消しを期待されていたが、長いものに巻かれないのが彼である。理不尽だと思えば上司にも盾突くドハンは、警察内では浮いた存在となっている。「ただ、真実を知りたい」。弁護士だった矜持、刑事という職に実直な彼の固い意志は、やがて思いがけない真相をあぶり出す。 一方、詐欺事件の首謀者ノ・サンチョンを演じるホ・ソンテの怪演も光る。「イカゲーム」の非道なヤクザ役で知られ、名バイプレイヤーとしてさまざまな役を演じてきた彼が、本作ではチンピラから巨大企業の会長へと成り上がった男に変身。カリスマ会長として投資者を心酔させながら、裏では強欲で粗暴な本性をむき出しにする。投資者に見せる穏やかな表情と、裏切り者を殴打する鬼気迫る表情といった二面性の表現には圧倒されるだろう。 ■過去と現在を行き来するクライムミステリー 詐欺犯のサンチョンは生きているのか? 連続殺人事件の黒幕は誰なのか? ジョンフンがビョンジュンを犯人に仕立て上げようとするのはなぜか? 1話ごとに新たな謎が浮上し、先を追わずにはいられないミステリーな展開。詐欺事件の“過去”、殺人事件が絡む“現在”を行き来する構成によって、登場人物のバックボーンも徐々に明らかになっていく。 ドラマは全15話。最後のピースがハマる結末には、予想もつかない事件の解明が待っている。これまでのイメージを刷新する役柄で俳優としての真価を見せつけるチャン・グンソク。一方、強欲な詐欺師を表情豊かに演じるホ・ソンテ。2人の名優の演技バトルも堪能の一手になる。 ◆文=帆刈理恵(スタジオエクレア)

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