39年前、福井市で女子中学生が殺害された事件。有罪となり、服役した男性の再審=やり直しの裁判で、裁判所は男性に無罪を言い渡しました。再審無罪の決め手は何だったのでしょうか。石川県の名古屋高裁金沢支部から報告です。 (北陸朝日放送・藤井友里記者報告) 今回の判決の決め手は一言でいうと「取引によって生まれた証言」です。 どういうことかというと、有罪の根拠とされた「血の付いた前川さんを見た」と証言をした関係者は別の事件で逮捕されていて、殺人事件の捜査に協力することで自分の罪を軽くしたいという思惑がありました。 さらに警察は当時、唯一の情報源であったその供述に頼り、他の関係者に供述調書を見せるなど不当な誘導をして、前川さんが犯人であるというストーリーに合う供述を集めた可能性が払拭できないとしました。 また、一連の裁判中に検察側が前川さんに有利となる証拠を隠していたことを明らかになっていて、捜査の問題点についても指摘されています。 そういったことも踏まえて今回、無罪という判断に至ったと思われます。