参院選の群馬選挙区(改選数1)は20日夜、自民党現職の清水真人氏(50)が厳しい逆風下、他党候補との激戦を制して再選を確実にした。 テレビで報じられた出口調査で参政党新人の青木ひとみ氏(44)にわずかに後れをとっていたとき、高崎市の選挙事務所には重苦しい雰囲気が漂った。しかし、「当選確実」の一報が届くと、清水氏は顔をくしゃくしゃにしながら入場。待機していた小渕優子県連会長(党組織運動本部長)と抱き合って喜んだ。 「テレビの出口調査の結果を見て正直、議席を失うかもしれないと思った。この劣勢をはね返せたのは多くの支援のおかげです」。清水氏は感謝の言葉を述べた。 厳しい選挙だった。6月の東京都議選で自民が大敗し、参院選公示直前には党県連に所属していた県議が公共工事をめぐる入札妨害事件で逮捕され強烈な向かい風となった。 「総力を結集して臨む」(小渕県連会長)として、山間部まできめ細かく回りながら各地で決起集会を開催。「日本の未来をかけた戦い」と責任与党として災害に強い地域づくり、農業や中小企業振興などを訴えてきた。しかし、鶴保庸介参院議員の能登半島地震をめぐる発言も出る中、序盤は優位だった情勢も青木氏や立憲民主党新人の河村正剛氏(52)の猛追を受けた。 清水氏は「インターネットを駆使した新しい選挙戦で、情勢を見えない中、後ろに(青木氏らが)迫ってきた」と振り返る。自民が議席を失ったことがない保守王国の群馬選挙区で議席を守り、「長年、諸先輩が築いてきた議席を失う、そんな悪夢のような、大きな穴を開けなかったことは大きな誇り」と喜んだ。 「逆転満塁ホームランだ!」。会場から歓声が上がる中、「激戦の末、与えていただいた議席。新しい自民党を目指し、有権者の思いを真摯(しんし)に丁寧に、国政に伝えていきたい」と語った。