警察特攻隊員28人が21日未明、ソウル道峰区双門洞(ドボング・サンムンドン)のマンションに向かった。20日午後、仁川松島(インチョン・ソンド)で手製の散弾銃を撃って息子を殺害した60代の男Aを緊急逮捕して取り調べを行っている間、自宅に爆発物を設置したという陳述を確保したからだ。 ソウル警察庁と警察特攻隊はこの日午前1時30分から同マンションの住民105人(居住者69人、商店従事者36人)の避難作業から終えた。午前3時54分ごろ現場を捜索し、14本のシンナーとタイマーが付いた点火装置などで構成された爆発物を捜し出した。その後、解体作業が23分間ほど続いた。 解体当時、爆発物のタイマーは「21日正午」に爆発するよう設定された状態だった。専門家らはA(62)の居住地が中間層の8階だったため「除去していなければマンション全体が炎に包まれていたはず」(イ・ヨンジェ慶民消防安全学科教授)と分析した。真夜中に周辺の保健所やモーテルに避難して夜を明かした住民は胸をなで下ろした。 仁川延寿(ヨンス)警察署の関係者はこの日、「容疑者が銃器による犯行前にソウル道峰区の自宅に引火性物質を直接製作して設置した状態だった」とし「容疑者は二度と家に帰らないと決心して(自宅に爆発物を)設置したと推定している」と明らかにした。 息子を銃で殺害して手製爆弾まで設置したAは飲酒や麻薬使用の状態ではなく精神病歴もなかったことが確認された。警察はAの犯行の動機を把握するため専門プロファイラーを緊急投入した。調査を終えた後、殺人、銃砲・刀剣・火薬類などの安全管理に関する法律違反、現住建造物放火予備などの容疑で拘束令状を請求した。 双門洞のマンション住民もA氏について「住民との争いなどはなかった」「会費は欠かさず出していた」など話すなど、普段は静かで目立たなかったという。 これに先立ちAは20日午後9時30分ごろ、仁川松島の国際都市マンション33階で父の誕生日パーティーを準備した息子Bさん(34)を鉄パイプを改造した手製の散弾銃で撃った。弾丸1個あたり鉄玉12個が入った散弾3発を撃った。発砲した3発のうち2発はBさんに、1発は扉に向かった。胸・腹部に弾丸を受けたBさんは救急車で付近の病院に搬送されたが、結局、死亡した。 Aは警察で犯行の動機について「家族間の不和」と供述した。具体的な葛藤の経緯や犯行計画時点などについては陳述を避けているという。犯行当日はAの誕生日だった。事件通報者のBさんの妻は「しゅうとが夫を撃った。誕生日パーティー中にしばらく外に出て銃を持ってきた」と伝えた。事件当時、家の中にはBさんの妻、孫2人、妻の知人らが一緒にいた。無職のAは妻とは20年前に離婚し、息子とだけ往来が時々あったという。 出動した警察は逃走したAのレンタカーの車を緊急手配し、21日午前0時15分ごろソウル瑞草区方背洞(ソチョグ・パンベドン)の路上で緊急逮捕した。検挙当時、Aは逃走しようとしたが、警察車が進路をふさぎ、車のドアを強制的に開けて連行した。 Aの車からは銃身に該当する鉄パイプ11点も発見された。このうち一部は装填状態であり、86発の弾丸も見つかったという。Aは警察で「インターネットで銃器の製作法を把握した。犯行に使用した弾丸は約20年前に極端な選択をする目的で狩猟許可者から残った実弾を購入し、倉庫に保管していた」という趣旨の陳述をしたことが伝えられた。