フィリピンを拠点とした「ルフィ」と名乗る指示役らによる広域強盗事件で、実行役らを集めたとして、強盗致傷ほう助や詐欺などの罪に問われた幹部小島智信被告(47)の裁判員裁判の判決が23日、東京地裁であり、板津正道裁判長は懲役20年(求刑懲役23年)を言い渡した。 逮捕・起訴されたルフィグループ幹部4人のうち、判決が出たのは初めて。小島被告は起訴内容を認めており、公判では量刑が主な争点だった。 これまでの公判で、検察側は小島被告がX(旧ツイッター)や闇バイト業者を通じて実行役を集め、指示役に紹介していたとして、「強盗事件の実現に与えた影響は大きい」と非難。特殊詐欺グループでは組織の「金庫番」などを担い、リーダー格の渡辺優樹被告(41)に次ぐナンバー2として「活動を維持・拡大する役割を果たした」と指摘していた。 一方、弁護側は、特殊詐欺グループ内での小島被告の立場が「ナンバー2や金庫番は虚像にすぎない」と説明。強盗事件では計画の詳細を聞かされておらず、「強盗組織内で存在は大きくなかった」として、懲役11年が妥当と主張していた。 小島被告は最終意見陳述で、「反省し、後悔している。本当に申し訳ありませんでした」と謝罪した。 事件を巡っては、渡辺被告ら他の幹部3人が、東京都狛江市で女性が死亡した事件にも関与したとして強盗致死罪などで起訴された。初公判の時期は未定。 起訴状によると、小島被告は2022年10~12月、東京都稲城市や中野区、山口県岩国市で発生した強盗致傷事件などで実行役を紹介。また19年、特殊詐欺事件で計約5400万円を詐取などしたとされる。