政治家に「危害加える」投稿889件 発信者特定し警告も 参院選

警察庁は24日、参院選投票日前日までの約1カ月間に交流サイト(SNS)やインターネット掲示板で、警護対象者の政治家や選挙の候補者に危害を加えるなどとする危険な内容の投稿を889件確認したと明らかにした。切迫した内容のものは投稿者を特定し、警告した。 6月16日~7月19日に、都道府県警が見つけたものや一般の人、候補者陣営から情報提供を受けた件数をまとめた。 石破茂首相のインスタグラムには「生命狙われてもおかしく無いから鉄帽と防弾チョッキは着といた方がええよ」とのリプライ(返信)があり、警察当局は翌日に静岡県の30代男性が投稿したと特定した。 また岸田文雄前首相のX(ツイッター)に「殺したいぐらい嫌い」「命ねぇかもな」と投稿した千葉県の40代男性も特定した。 警察当局は2件とも投稿者と直接会い、危害を加える意図はないと確認。同様の投稿をしないように警告した。 さらに、ネット掲示板に候補者の殺害を示唆する書き込みをしたとして、埼玉県警は30代男性を公職選挙法違反(自由妨害)の疑いで逮捕した。 こうした投稿は、単独でテロを実行する「ローンオフェンダー(LO)」への対策を強化するために警察庁に設置した「LO脅威情報統合センター」に集約。各地の警察と共有し、要人警護にもいかした。 要人警護は、公示日から投開票前日までの17日間で約900件あった。屋内での実施は5割で、昨年の衆院選の33%から増加した。 警察庁は演説の屋内実施を働きかけてきたことが一定程度浸透したことや、主催者側が暑さを考慮したことなどが影響したとみる。 手荷物検査と金属探知機での身体検査はともに99%の現場で実施された。カッターナイフやはさみといった危険物が見つかったケースは約140件あった。【山崎征克】

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