特殊詐欺に使われ凍結された口座から不正に現金を引き出したとして、警視庁犯罪収益対策課は、詐欺と公正証書原本不実記載・同行使の疑いで、コンサルティング会社「スタッシュキャッシュ」(東京都渋谷区)の実質的経営者、林竹千代容疑者(61)=横浜市神奈川区=ら男3人を逮捕した。犯収課は認否を明らかにしていない。 ほかに逮捕したのは、スタッシュ社代表の井上達雄容疑者(73)=東京都杉並区=と、システム関連会社「Recrutus(リクルタス)」(東京都台東区)元代表の中国籍、李小暢容疑者(37)。 逮捕容疑は令和6年8月、共謀の上、スタッシュ社が、リクルタス社に貸し付けたとする虚偽の公正証書を公証人に作成させた上、凍結されていたリクルタス社名義の口座を差し押さえる強制執行を裁判所に申し立てて、約610万円を詐取したとしている。 振り込め詐欺救済法に基づき、特殊詐欺などに悪用されたと判明した銀行口座は凍結される。犯収課によると、リクルタス名義の口座は投資詐欺などの被害金が振り込まれていたとして、6年3月に凍結されていた。 犯収課は林容疑者らが同様の手口で凍結口座からの強制執行を繰り返し、手数料名目で利益を得ていたとみており、詳しい資金の流れを調べている。