闇バイト応募か、少年逮捕 金沢女性被害の特殊詐欺 高額報酬うたい「使い捨て」

●詐欺容疑で中署 金沢市の高齢女性が現金をだまし取られた特殊詐欺事件で「受け子」を担ったとして、金沢中署と石川県警特殊詐欺等対策プロジェクトチームは、詐欺の疑いで、県外に住む10代少年を逮捕した。3日、捜査関係者への取材で分かった。少年は交流サイト(SNS)を通じた「闇バイト」に応募したとみられる。高額報酬を目的に、同様に特殊詐欺の実行役として逮捕されるケースが相次いでおり、県警は「詐欺組織の使い捨てにされる。絶対に関わらないでほしい」と警鐘を鳴らしている。 捜査関係者によると、少年は7月中旬、氏名不詳者らと共謀し、金沢市内に住む高齢女性方に親族を名乗って電話をかけ、トラブルの解決名目で現金数十万円をだまし取った疑いが持たれている。 少年は金沢市を訪れ、女性から現金を受け取ったとされ、周囲の防犯カメラ映像などから関与が浮上したという。スマートフォンの解析結果などから、少年はSNS上にあった闇バイトの情報を見て連絡を取り、事件に関与したとみられる。金沢中署は指示役の特定など実態解明を進めている。 ●摘発者の4割 闇バイトを巡っては、詐欺の実行役として逮捕される事案が続いている。県警が昨年1年間に特殊詐欺で摘発した容疑者33人のうち、12人が「闇バイト」だった。 12人は10〜30代で、いずれも県外在住者。ほとんどが組織末端の「受け子」で、高額報酬につられて、アルバイト感覚で犯罪に加担したとみられる。捜査関係者によると、こうしたバイトは、一度でも連絡すると、やめようとしても指示役に個人情報などを把握されて脅され、簡単に抜け出すことができないとされている。

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