兵庫県の斎藤元彦知事の記者会見で、質問をした記者に対する誹謗中傷が繰り返されているとして、新聞労連が「取材活動の萎縮を招く」などと声明を出したことを受け、斎藤知事は6日の定例会見で「報道や取材の自由は守られるべき。SNS(交流サイト)での誹謗中傷はすべきでない」と繰り返す一方、労連が求めた事態を改善する見解は示さなかった。 斎籐知事の定例会見を巡っては7月29日の会見で、質問した記者への誹謗中傷や人格攻撃が続いていると記者の一人が指摘。新聞労連は今月5日、「質問を理由にした誹謗中傷は市民の知る権利を損ねる」と懸念を示し、知事に対し「事態を改善する言葉を発すべき」と求める声明を出した。 斎藤知事は6日の会見で誹謗中傷はすべきでないとし、「会見は記者の質問にきちっと回答するのが大切な場で、引き続きしっかりやっていく」などと述べた。同日、知事への脅迫容疑で男が逮捕された事件を受けて、自身への殺害予告などが昨年以降400件以上あったと明かし、「誹謗中傷や脅迫は誰もがすべきでない」と訴えた。 誹謗中傷防止の啓発を「これまでも強く発信している」と主張したが、27万人超のフォロワーがいる自身のSNSアカウントでの呼びかけには「個人として運用している」との理由で消極的だった。 会見後、県庁前に県民ら約120人が集まり、記者を守るよう呼びかけるデモが行われた。「メディアが萎縮させられ、言うべきことを言えないのはおかしい」などと訴えた。