【社説】キム・ゴンヒは否認、尹錫悦は拒否、シナリオ通りに動いているのか

キム・ゴンヒ氏の不正を捜査しているミン・ジュンギ特検が7日、キム氏の拘束令状を請求した。前日に特検に出頭したキム氏が容疑を全面否認したため、これ以上の取り調べは意味がないと判断したのだ。尹錫悦(ユン・ソクヨル)前大統領はこの日、特検による逮捕令状執行をまたも拒否した。内乱と国政壟断で国を危機に陥れた夫婦が、国民は眼中にもなく自分勝手に振る舞っている。 キム氏は前日の特検の取り調べで、すべての容疑を否認した。ドイツモーターズ株価操作疑惑はすべてが「偶然の一致」に過ぎず、国民の力の公認への介入と統一教会からの「収賄」(グラフのネックレス、シャネルのバッグ)疑惑はまったく事実ではないというのだ。キム氏は、特検チームから自身に不利な証拠が提示されると「昔のことなので覚えていない」、「力もないのにしょっちゅう連絡してくるので、大統領室に頼んで連絡しないようにしてもらった」というふうに言い逃れしたという。実に卑劣だ。「私が政権を握ったら黙っていない」、「この座(大統領)に座ってみると」という言葉を平気で使い、実際に官界で「V0(ブイゼロ)」と呼ばれるほど政権の実力者として幅を利かせていたことは、国民の誰もが知っている。元検察総長の大統領である夫の庇護(ひご)がなかったら、キム氏はとっくに法の審判を受けていただろう。「ブランドバック」事件をもみ消せという上層部の指示に苦しんだ国民権益委員会の担当局長は、自ら命を絶った。誰のせいでこのようなことが起きたのか。良心の呵責(かしゃく)もないのか。 先日、下着姿で特検の逮捕令状執行に抵抗した尹前大統領は、この日も強制拘引に応じなかった。特検は物理的な力を行使したものの、負傷が懸念されるほど頑強に抵抗されたため、あきらめたという。尹前大統領夫妻の行動は、特検の捜査に備えた戦略とみられる。夫は特検の取り調べを一切拒否し、妻はそのような夫にすべてを押し付けようというのか。尹前大統領は高位公職者犯罪捜査処による捜査の時から、あらゆる「法技術」を駆使してきた。もはや元検事総長の大統領として、恥も外聞もまったくなく行動している。尹前大統領の弁護団は逆に、特検の強制拘引に対して「すべての違法行為の関連者には必ず応分の責任を問う」と主張している。盗人猛々しいにもほどがある。今、「違法」を犯しているのは誰なのか。ひたすら熱烈な支持者を刺激すれば何か方法が見つかると信じているのか。 一体どこまで国民に恥をかかせるつもりか。すでに国民の忍耐は限界を超えている。 (お問い合わせ [email protected] )

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