今年6月、外務省『海外安全ホームページ』で、東南アジアの内陸国ラオスに関する注意喚起が発せられた。それは「日本人による児童買春」の横行を示唆するものだった。 その実態を調査すべく、現地に潜入取材を敢行。醜い、おぞましい、そんな言葉では言い足りないほどの闇が、そこにはあった。 * * * ■ラオスは"聖地" 深夜1時を過ぎた頃、寂れたホテルの部屋の中から人影が出てきた。続いて、部屋の内側からドアを施錠する金属音が廊下に響く。 人影をよく見ると、プリント柄の大きなTシャツにサンダル姿。うつむいた姿や体格、雰囲気から、年は10代前半の女児だろう。彼女と擦れ違った瞬間、ある異変に気づいた。声を押し殺すように、すすり泣いていたのだった。 「ペン チャン ダイ?」 ラオ語で「どうしたの?」と声をかけてみた。すると彼女は一瞬驚いた表情でこちらを見た後、足早に去っていった――。 これは、ラオス人民民主共和国の首都・ビエンチャンにあるホテルでの一幕だ。この場所は、児童買春を斡旋(あっせん)する拠点として、地元住民はもちろん、世界の小児性愛者にはよく知られているという。こうした場所に今、多くの日本人が幼女を求めて集まっているというのだ。 今回、ラオスを舞台にした児童買春の実態を取材すべく、潜入取材を敢行。現地に行くと、そこにはおぞましい光景が広がっていた。 * 在ラオス日本国大使館が外務省のホームページを通じて「児童買春に関する注意喚起」を出したのは6月17日のこと。 〈昨今、SNS上でラオスにおける日本人による児童買春を示唆するような内容の投稿が見受けられます〉 そう冒頭に記された注意喚起には、ラオスにおける児童買春は現地捜査当局による取り締まりの対象であり、日本国民による国外犯としても処罰されることなどが記されている。 外務省大臣官房報道課によれば、「児童買春の状況を網羅的に把握することは困難」だという。 児童買春という非人道的行為を、わざわざ改めて日本大使館が注意喚起しなければならなかったのはなぜなのか。 東南アジアの風俗事情に詳しいライターはこう話す。