女優・天海祐希(58)主演のテレビ朝日系ドラマ「緊急取調室」の第5シーズンが10月期(木曜午後9時)に放送されることが明らかになった。シリーズ完結編となる劇場版も12月26日公開が決定。度重なる不運が重なった作品だが、天海の〝気遣い〟ぶりに共演者、そしてスタッフやエキストラまで一致団結している。その裏には、出演者に名を連ねていた俳優の故大杉漣さんの影響もあった――。 天海が演じる「緊急事案対応取調班」(通称・キントリ)の敏腕取調官・真壁有希子の活躍を描いた本作。2014年にシーズン1が放送され、21年7月期のシーズン4は、平均世帯視聴率(全話)で12・1%を記録し、同クール1位を獲得。数々の人気ドラマに出演してきた天海にとっても、最大の当たり役となった。 10月からスタートする第5シーズンでは、管理官・梶山勝利(田中哲司)、玉垣松夫(塚地武雅)、菱本進(でんでん)、小石川春夫(小日向文世)という鉄壁の取り調べチームが、被疑者たちに立ち向かう。さらに、国家の最高権力(=内閣総理大臣)と対決する12月公開の劇場版と連動するエピソードも描かれ、集大成に向けて大いに盛り上げていくという。 もっともここまで劇場版は不運の連続だった。当時、内閣総理大臣役として撮影を終えていた歌舞伎俳優・市川猿之助が両親の自殺ほう助の疑いで逮捕(後に懲役3年、執行猶予5年の判決)され、23年6月公開が延期に。内閣総理大臣役に新たに俳優の石丸幹二を迎えて再撮影が行われた。 「猿之助さんの事件前にも、安倍晋三元首相が襲撃されて死亡した事件で、延期になっていた。2度も延期になっていたが、劇場版の撮影は終えている。ドラマもクランクインしており、天海さんの8月8日の誕生日を祝うケーキも用意されました。天海さんの恐縮しながら喜ぶ姿に現場の士気は一段と上がりました」(ドラマ関係者) すでにキャストやスタッフ、そしてエキストラまで一致団結。その理由は、何度となく「理想の女性上司ランキング」(明治安田生命実施)で1位を獲得してきた天海らしい〝気遣い〟もあるという。 「天海さんは、田中哲司さんら共演者とドラマ撮影前に〝決起集会〟の食事会を開いて、改めてドラマにかける思いや感謝を伝えたそうです。また、天海さんといえば、エキストラに感謝を伝えるだけではなく、時に励ましたり、撮影後に『お疲れさまでした』と労をねぎらったりする。〝座長〟である天海さんのために、自然とみんながいい作品にしようと思うんですよ」(同) そんな主演・天海らしい企画が、同シリーズのファンや視聴者に感謝を伝えるべく始動した「大感謝プロジェクト」だ。「緊急取調室」の12年の歴史をたどる特別映像が、YouTubeのテレ朝ドラマ公式chや東宝MOVIEチャンネルで公開。この映像には大杉漣さんの姿も見られる。 大杉さんはドラマのスタート時から、刑事の中田善次郎役としてレギュラー出演。18年2月に急性心不全で亡くなった際は、天海も大きなショックを受けていた。 「優しい人柄の大杉さんはいろんな相談に乗っていて、座長のプレッシャーに悩んでいた天海さんの精神的な支えにもなっていた。長い下積みを経験した大杉さんは、エキストラやスタッフへの気遣いぶりは知られていましたが、そんな姿に天海さんも影響を受けていた」(同) 天海らはさまざまな感謝を胸にフィナーレに向けた撮影に臨んでいるようだ。(視聴率は関東地区、ビデオリサーチ調べ)